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子犬がものを噛むのはなぜ?日常でできる対応策としつけポイント【まとめ】

愛犬がものを噛んだり、破壊をしたりするときには「何とかやめさせたいな…」「どうやってしつければよいのだろう…?」と、不安や疑問があることと思います。
犬がものを噛む・破壊するときにはいろいろな理由があり、その原因にあわせて適切な対応をすることが重要です。
この記事では、犬がものを噛む・破壊する行動について、原因や日常でできる対策などをご紹介しています。
実際に効果があったしつけ方法もご紹介していますので、愛犬の噛む行動にお悩みの飼い主様は、ぜひチェックしてみてくださいね!

犬がものを噛む・壊す主な理由とは?

そもそも犬は本能的にものを噛む動物です。人が手を使うように、口や歯を使ってものを認識し「遊ぼう!」「やめて!」などコミュニケーションツールとして用いています。

そのため、噛むこと全般をやめさせることは難しいかもしれません。ただ、甘噛みであっても人に向けて噛むことを許してしまうと、本気で噛まれた際に大怪我へとつながる可能性もあります。また、ものはボロボロになり、仮に電源コードを噛んでしまった場合には感電の恐れもあるため、人と犬が共に生活する中で、犬へ噛んでいいものといけないものの違いを教えてあげたいものです。犬がものを必要以上に噛む理由には、以下の4つが考えられます。

①子犬期の甘噛みや歯の生え変わりによるムズムズ感
子犬のときは、ものを噛むことがとても多く、その理由としては甘噛みや歯の生え変わりによるムズムズ感があります。甘噛みとは、子犬に多い愛情表現の一つであり「ねえねえ!」と軽く呼びかけているときに用いられます。兄弟や仲間と遊ぶときのように、人にも口を使ってじゃれてきます。遊んでいる最中におもちゃと間違えて、飼い主様をうっかり噛んでしまうこともあります。力加減がうまくできずに「痛い!」と感じるシーンも多々ありますが、甘噛みは成長に合わせて落ち着くことがほとんどです。

また、犬の歯の生え変わりの時期は生後3~6か月齢程度からはじまり、生後7~8か月齢まで続きます。
その間は口の中がムズムズするため、ものを噛んで違和感を取り除こうとすることが多いです。

②ストレス・退屈・運動不足による発散行動
なにかにストレスを抱えていたり、退屈でヒマをしていたりする場合には、ものを噛んでしまうことがよくあります。元気で活発な犬は、飼い主様が十分に遊んでくれない場合や運動量が足りない場合に、余ったパワーを発散するためにものを噛む行動をします。特に子犬のときは、遊びたくて仕方がないため、ものや自分の足を噛むことがよくあります。そもそも犬にとっては家具とおもちゃの違いが分からないため、リビングで遊ばせていたら、ソファーや机の脚を噛んでいた!なんてことはよくありますが、犬にしたら怒られても「???」という状態でしょうか。

③分離不安による問題行動
分離不安とは、飼い主様の姿が見えなくなることで、愛犬が強い不安感にかられ、長時間にわたって吠え続けたり、ものを破壊したり、粗相をするなどの問題行動をすることを言います。警戒心が強い犬や怖がりの犬に多く見られ、不安感から身を守るため、そういった行動が見られます。また、分離不安がある犬は、びっくりした拍子に噛むこともあり、強く噛んでしまうことが多いです。

④飼い主の反応を試しているケースも
犬によっては、物を噛む・破壊すると「かまってくれる!」と覚えてしまい、飼い主様の反応を試しているケースもあります。「噛んではだめよ!」「どうしたの?」など、愛犬が物を噛んだタイミングで反応するケースでよく見られます。「おやつがほしい!」「かまってほしい!」などの要求時に噛みつくこともあり、主張が出始めている状態ですので、たとえ噛みつきが弱かった場合でも、きちんと対応する必要があります。

犬がものを噛むときにやっておくべき日常の対処法

ものを噛む・破壊する行動は、飼い主様にとってもストレスとなります。そのため、いろいろな対策を合わせて行っていく必要があります。

①嚙んでもいいおもちゃを与える、たくさん遊ぶ・散歩をする
噛むことは犬の本能行動であるため、100%やめさせることは難しい場合も多いです。そのため、犬が噛んでもいいおもちゃを与えて、噛む対象を人の手や家具など、噛んではいけないものから変えていくようにしましょう。
噛まれても痛くないよう、手にはめて遊ぶパペットや、じゃらし棒などがおすすめです。噛まれることが怖かったら、おもちゃを投げる持ってこい遊びなどもいいですね。犬によって興味を示すおもちゃはいろいろですので、いくつか試してお気に入りのものを見つけてあげましょう。犬が楽しくなってくると間違って噛んでしまう場合もありますが、遊んでいるだけですので、叱らないで受け入れてあげましょう。

そして、愛犬が満足する散歩を行うことも大切です。ダッシュや階段、公園やドッグランなどで十分に体を動かしましょう。段差やデコボコ道、草むらなどでの散歩は、体幹を鍛えて、脳へのよい刺激となります。ただ、なかなか時間のない中で散歩に出かけることは難しい場合も多いと思います。その場合には、自身で遊べる知育玩具や家の中でのかくれんぼ・追いかけっこなどもおすすめです。人でもそうですが、頭を使った遊びは想像以上に疲れます。

また、「一緒に遊んでもらっている!」ということは、愛犬に安心感や幸福感を与え、問題行動としての噛みつきを抑えることができる可能性も高まります。

②誤食を防ぐための環境づくり
人が触ってものを確かめるよう、犬は口に入れてそれが何なのか?を確認する動物です。そのため、小さいものや噛み切れるものなどは愛犬の届かない位置に置く、しっかりフタを閉める、電気コードは隠す・カバーをするなどして対応しましょう。今まで誤食をしない子であっても、ちょっとした環境の変化やストレスから、異物を食べるようになることはあります。気を抜かないよう、誤食を防ぐための環境づくりを心がけましょう。万が一誤食をしてしまった場合には、胃や腸に詰まってしまう可能性もあります。速やかに動物病院で処置を受けるようにしましょう。

③留守番時の工夫(クレート・音・おもちゃ)
留守番のときには、不安や緊張感があり、ものを噛んでいることがあります。そのため、安心して留守番ができる、クレート(ハウス)トレーニングを子犬のときから行っておくことが大切です。犬は縄張りを持つ動物ですから、クレートを安心できる縄張りのような場所と覚えさせることで、留守番が上手にできるようになります。
「狭いクレートの中で過ごさせることはかわいそう…」と思う飼い主様もいらっしゃいますが、邪魔をされない場所があることで犬は安心して過ごすことができます。トレーニングは子犬のときから行う必要があり「ハウスに入るといいことがある!」と覚えさせることがポイントです。

まずはお気に入りのおやつを使ってハウスに誘導し、おやつを詰めたおもちゃを与えて、長くいられるようにしつけていきましょう。「ハウスから出してほしい!」と鳴いても、そこはぐっと我慢。吠えれば出してくれると覚えてしまうため、見えないところに移動して、鳴いていないタイミングでほめて出してあげるようにしましょう。安心して過ごせるペットベッドやおもちゃも一緒に入れておくといいです。また、TVや音楽をつけておくことで、音に対する感度が弱まり、チャイムや工事の音が鳴ったときなども、不安感なく過ごせるでしょう。

④「噛む=悪いこと」を教える一貫した態度
「噛んではいけないものを噛むことはダメなこと」と一貫した態度を示すことも大切です。以下でご紹介するしつけ方法を用いて、家族みんなで一貫した態度をとるようにしましょう。ただ、甘噛みや遊びの噛みは愛情表現なので叱ってはいけません。興奮してきたら、落ち着かせる必要があります。

しつけで改善できる!飼い主がやるべき対応

しつけは犬に家庭と社会のルールを教えるために行うもので、子犬の頃から始めることがとても大切です。

生後3週~3か月齢くらいまでは社会化期と呼ばれ、あらゆる物事やルールを受け入れやすい時期と言われています。お家に来るのは生後2~3か月齢程度のことが多く、この時期からしつけに取り組むようにしましょう。
ただ、成犬や保護犬を迎える場合もありますよね。そのような場合でも、家に来てから3日間が肝心です。
なじむまで待つことも大切ですが、まだ来たばかりだからと甘やかしていると、犬は「飼い主は何でも聞くものだ!」と思い込んでしまいます。後からダメと叱るより、早い段階で適切な行動を教えた方が、犬にとっても負担が少なく、覚えも早いと思われます。

①叱るより「すぐに無反応」で行動を止める
しつけ全般に対して、叱るしつけだけは絶対にしない方がいいです。怖がり、信頼関係がなくなってしまいます。また、ものを噛んだり、壊したりしたときに、大きな声で叱る・反応をすることで「噛むと相手をしてくれるんだ!」と間違って覚えてしまうこともあります。犬がものを噛んだときには、無視することが最も効果的です。無視をしつつ、破壊行動をしれっと制御し、噛む対象物から離すようにします。

②指示語(ダメ・ノーなど)を統一する
ダメとしつけるための指示語は、家族みんなで統一する必要があります。みんなそれぞれに指示語が違うと、犬が混乱してしまうからです。具体的には、犬が噛んだらすぐにノーと言い、犬から離れるようにします。あらかじめリードをつけておき、ノーと言ってから犬をリードで離してもいいでしょう。

落ち着いた低いトーンでノーということも大切。犬の唸り声のようにスピードを落としてゆっくりと、低い音で怖い顔をしてノーと言いましょう。しつけ全般に言えることですが、家族全員が同じルールで犬に接し、同じ優しさや厳しさを与えることを心がけましょう。お父さんが厳しくてお母さんが優しいと、犬は主張を通すために、お母さんをねらうようになってしまいます。

③成功体験を積ませる正の強化とは?
正の強化とは、犬が望ましい行動をとったときに、報酬や犬にとって好ましい刺激を与えることで、その行動を増やすトレーニング方法です。例えば、犬がおすわりという指示に従った場合、飼い主様は報酬(おやつ)を与えて「よくやったね!」とほめてあげます。

この場合、座るという行動が報酬(おやつ)と結びつくため、犬は座る行動を増やす傾向にあります。ただ、おやつはコミュニケーションツールの一つですので、あまり用いすぎるとおやつがないとその動作をしなくなり、太ってしまうこともあります。そして、犬はおやつを量ではなく、回数で認識しています。そのため、ほんのわずかなおやつでいいですし、おやつをあげる振りで喜ぶ子もいます。成功したら、十分にほめることが何よりも大切です。

実際に効果があったしつけ方法【体験ベース】

以下では、ものを噛むクセのある犬に対して、実際に効果があった方法をご紹介しています。

噛むクセが減った習慣・アイテム紹介
原因に合った対策を行い、根気強くしつけていくことが最も大切です。同時に、噛むクセを防止できるアイテムを用いることで、より早期に改善が見られる場合もあります。例えば、丈夫なゴム製の知育玩具にお気に入りのおやつを詰めたものを複数個あげてみる…運動不足や刺激が足りない場合には、頭を使った遊びをさせることで、噛むクセが減ることが多々あります。犬のしつけ用の苦味や辛味スプレーを家具に吹きかける方法もあります。10倍程度に薄めたタバスコも使えます。

まず、犬の鼻先にシュっと一吹きして刺激物のにおいを認識させ、噛まれたくないものにも吹きかけるようにします。乾くと効果が薄れるため、噛まなくまでこまめに吹きかけることがポイントです。

暮らしの工夫とストレス対策
ものを噛むクセが強い子の場合には、壊されにくいように生活することがおすすめです。例えば、ソファーは脚なしタイプを用い、机は金属製の脚のものを選ぶ。配線にはケーブルカバーをして、壁には猫用の爪とぎ防止シートやツルツルした素材のものを貼って対策をする。破壊行動はやがて落ち着くことも多いため「そのうち改善するし、今は仕方がないか!」と大きな心で接してあげることもポイントです。と同時に、噛むヒマもないくらい遊びや散歩でパワーを発散させることも大切ですね!

愛犬がものを噛むことでお悩みの場合は、ペットシッターの利用もおすすめ!

他の人との触れ合いは、犬によい緊張感を与え、社会化にも繋がります。

また、犬はそもそも集団で生活をする動物ですので、誰かと一緒にいることで安心感を覚えます。なかなか仕事や用事で家にいられない場合には、ペットシッターを利用することも方法の一つです。ペットシッターの訪問は退屈な時間を過ごす犬に良い刺激となります。

ペットシッターなら、愛犬と一緒に過ごすことはもちろん、散歩へのお連れ出し、遊びやブラッシング、食事のお世話など、あらゆるケアを行うことができます。十分に脳と体を使ってリフレッシュし満足した犬は、ペットシッターが帰宅した後、飼い主が帰宅するまでぐっすり寝て待つことができます。「退屈をさせないこと」こそが、噛むクセ改善の鍵! 犬にとって楽しい時間を増やし、ストレスを減らすことで、問題行動を自然に減らすことができます。大切なのは、犬の視点に立って「毎日を充実させる工夫」をすること。「うちの子は慣れるかな…」「人が家に入るのは心配…」という場合には、相性の合うペットシッターを見つけて短時間から利用することがおすすめです。
犬の噛むクセが直らない場合には、ペットシッターもご検討くださいね!