愛犬・愛猫の室内での熱中症対策【飼い主が注意すべきポイント】
温暖化の進む現代では、特に5月~9月の時期で「熱中症」のリスクが高まります。人間はもちろん、犬や猫といったペットも同じように熱中症にかかるリスクが高まっているのです。
実際にこれまで不安を感じたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか?
この記事では、犬猫が熱中症にならないための対策をご紹介しています。「愛犬、愛猫、ペットを絶対に熱中症にさせたくない」と思う飼い主様は、ぜひチェックしてみてくださいね。

犬猫が熱中症になりやすい理由
室外で飼われている犬が熱中症にかかるイメージは湧きやすいものですが、室内で暮らしている犬や猫が熱中症になることは、あまり想像しにくいかもしれません。しかし、実際には犬猫は熱中症にかかりやすい傾向にあります。熱中症となると、明らかにぐったりし下痢や嘔吐、発作などが起こる確率が高まり、意識を失うケースや最悪死に至るケースもあります。
犬猫の熱中症は、重度のケースでは死亡率が50%~60%にものぼるとされているため、ないがしろにしてはいけない問題だといえるでしょう。それでは、一体なぜ室内飼いしているにもかかわらず熱中症にかかってしまうのか、理由をいくつか挙げていきましょう。

①犬や猫はそもそも暑さに弱い動物であるため
犬や猫が快適に過ごせる気温は20℃~25℃程度(湿度は50%~60%程度)であり、25℃以上(特に30℃以上)は熱中症のリスクが高まる状態だといえます。そう、犬や猫はそもそも暑さに弱い動物なのです。
人間の場合は、汗をかくことで生じる気化熱によって体温を下げることができます。しかし、犬や猫は体温調整に役立つような汗をかくことはできません。人間と違い身体の表面に汗腺がない(退化してしまっている)ため、汗をかけず気化熱による体温調整ができないのです(肉球にのみ汗腺あり)。特に気道が狭く呼吸が苦手なマズルの短い短頭種や、寒冷地原産種は暑さに弱い傾向にあり、その耐性は犬種・猫種や原産国によって異なります。この事実をしっかりと理解しておかないと、なんとなくのイメージで「室内だから大丈夫でしょう」と熱中症対策を怠り愛犬や愛猫、ペットが熱中症にかかってしまう可能性が高まるのです。
②エアコンの故障や付け忘れ
熱中症対策として最も有効な手段となるのは「エアコン」による空調コントロールですが、そんなエアコンも電源を付け忘れてしまえばまったく意味がありません。また、古いエアコンは、稼働中に突然故障し、冷房機能が使えなくなることもあります。飼い主さんが日中8時間以上自宅を空けている間にエアコンが効かなければ、30℃以上の室温になり熱中症に陥ってしまうでしょう。

26℃前後にエアコンを設定しておいたつもりが稼働しておらず、帰宅時に愛犬や愛猫、ペットがぐったりしていたなんていう体験は誰もしたくありません。エアコンの買い替え期間が7年~10年であることを踏まえれば、購入から5年以上経ったエアコンを利用している場合は故障のリスクを考えておく必要があるといえるでしょう。昨年2024年度も、雷雨による一部地域の限局的な一瞬の停電により、エアコンがリセットされた事例があります。
外出中に予期せぬ災害が発生して自宅のエアコンが停止する場合や、雷雨などの天候による一時的な停電が起こるケースでは、室内の温度が急上昇し、ペットの健康に影響を及ぼす可能性があります。
③被毛による体温の上昇
犬や猫は、全身毛で覆われています。そのため、気温が高くなれば体温は必然的に上昇することになります。飼い主さんが、「ちょっと暑いけどまだエアコン付けなくても大丈夫かな」と感じたとしても、被毛に覆われている犬や猫にとっては熱中症を引き起こす可能性が高いわけです。特に犬猫の被毛がダブルコートの場合は要注意です。ダブルコートはその名の通り二重構造になっている被毛となり、オーバーコートとアンダーコートで覆われるため暑さに弱くなります。
犬であれば柴犬やミニチュア・シュナウザー、コーギー、ポメラニアン、ミニチュア・ダックスフンド、ゴールデン・レトリバー、ボーダーコリーなどが挙げられます。猫ではラグドールやアメリカンショートヘアー、ノルウェージャンフォレストキャット、ロシアンブルー、アビシニアンなどが挙げられます。被毛がダブルコートの犬や猫は、シングルコートの犬猫よりも熱中症対策をしっかりと行うべきだといえるでしょう。
室内飼いの犬猫への熱中症対策
それでは、ここからは具体的な熱中症対策を挙げていきましょう。前述した通り室内飼いの犬猫であっても5月~9月の時期は熱中症にかかる可能性が高まります。以下に挙げる熱中症対策を実践することでそのリスクを極めてゼロに近づけることが可能となるため、参考にしてみてください。
①新鮮なお水を複数個所に設置する
前述したエアコンやサマーカットと併せて実践したいのが、「新鮮なお水を複数個所に設置する」という方法です。エサに関しては「1日○回」といったように強く意識している飼い主さんは多いのですが、水に関しては意外と意識が低くなりがちです。「あ、水がなくなってる」と気が付いたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか?給水が1箇所のみだと、水がなくなってしまうリスクが高まります。そのため、気温の上がる時期には最低でも2箇所、できれば3箇所に給水設備を設置すべきでしょう。

②アプリで確認できるエアコンを導入する
もしも「エアコンの付け忘れや故障による室内の温度上昇リスクをゼロにしたい」と思うならば、アプリで確認できるエアコンの導入をおすすめします。近年家電自体にネット環境が付随しアプリで管理できるloT仕様の家電も多く販売されてきています。
アプリで確認できるエアコンを導入すれば、外出していてもペットがいる自宅の部屋の温度や湿度を確認することが可能となり、エアコンのオンオフや設定温度、風量の設定なども操作可能となります。つまり、「あれ?出掛ける前にエアコン付けてきたっけ?」「なにかしらの不具合でエアコン消えてないよね」「設定温度高めだったかもしれない」といった不安を感じることがなくなるわけです。エアコンが付いておらず室温が高ければアプリ1つでオンにして室温を下げることができます。このアプリと連動できるエアコンであれば、仕事や用事で外出していたとしても数時間おきに確認できるので非常に安心です。
新たに購入するとなるとかなり費用はかかってしまいますが、長期間安心できるという意味では費用対効果は非常に高いといえるはずです。
③熱中症対策グッズを積極的に利用する
近年の気温上昇により、人間用の熱中症対策グッズが数多く販売されるようになりましたよね。これは犬や猫といったペットに関しても同様で、ここ数年で様々な熱中症対策グッズが販売されるようになりました。
・首元や胴体を冷やせるネッククーラー
・冷感素材のベッドやマット
・アイスパック付きのクーリングハウス
・空調ペット服
・猫が思わず入りたくなる猫型フォルムのアルミ製鍋
このように、犬や猫の体温を下げる便利グッズを複数購入し利用することで、熱中症のリスクを大幅に下げることが可能となるのです。愛犬や愛猫、ペットのために1つといわず複数の種類を購入し快適に過ごしてもらうようにしましょう。

④涼しい部屋へのアクセスを確保
熱がこもりやすい夏の室内では、ペット自身が涼しい場所を選んで移動できるようにしておくことも、熱中症対策として非常に有効です。洗面所や廊下、玄関など、家の中でも比較的温度が低い場所を自由に行き来できるようドアを開けておいたり、バリケードを外すなどして通路を確保してあげましょう。
また、これらの涼しいエリアに水飲み場や冷却マットを設置しておくことで、より快適な避暑スペースとなり、ペットの体温調節をサポートできます。人間と違って言葉で「暑い」と訴えることができない犬猫だからこそ、自ら快適な場所へ移動できる環境づくりが大切です。
⑤気温の上がる時期はサマーカットにする
犬や猫の被毛はかなり多いですが、夏場を中心に大胆に短くしたり刈り込んだりする「サマーカット」をする飼い主さんも多いものです。サマーカットは、日光性皮膚炎や違和感からのひっかきによる皮膚炎になる可能性といったデメリットはあるものの、地肌が見えない程度の適度な長さを保てば、通気性が良くなり熱中症になりにくいメリットが得られます。
サマーカットは見た目が大きく変わるため、飼い主さんにとっては新鮮さが感じられ、その可愛い見た目に思わずカメラを向けたくなるはずです。

熱中症対策に不安を感じたならば「ペットシッター」という選択肢もおすすめ!
皆さんは「ペットシッター」という存在をご存じでしょうか?ペットシッターとは、ベビーシッターと同じように飼い主さんの代わりにペットのお世話を行うサービスです。
犬の散歩を依頼する「散歩代行」はこれまでも利用されてきましたが、ペットシッターはそれほどメジャーではありませんでした。長期不在となる場合にはペットホテルに預け、日常の仕事や外出時には自宅でお留守番させるのが一般的でしたよね。しかし、ペットホテルはいつも過ごしている環境とは異なるため、ペットに大きなストレスを与える可能性もあります。
さらにあくまでも「預かる」ことを目的としているため、散歩やエサなどのサービスはあれど基本的にはケージに入れたままの状態となる施設が多いです。その点ペットシッターに依頼した場合には、いつも過ごしている自宅内で変わらぬ環境で落ち着いて過ごすことが可能です。そしてペットシッターは散歩やトイレの掃除、ご飯の準備、稀に介護なども行います。また、熱中症にならないよう、室内環境をチェックしたり、ペットの健康状態を見守り、その子が安心できる環境や個性に合わせたお世話が可能です。
飼い主さんとしては愛犬や愛猫の世話と安全をすべてお任せできるため、非常に助かるサービスだといえるでしょう。相性の良いペットシッターを見つけられれば、ペットもより安心したお留守番が可能となります。東京、千葉、神奈川、埼玉県で犬や猫を飼われている方は、ぜひ弊社のペットシッターサービスを利用してみてください。自宅で安心して過ごしてもらえる環境作りをお手伝いさせていただきます。
